この頃思う事!? ジレンマ!?

こんにちは【S】です。

今回は、ちょっとまじめに、お仕事についての独り言です。

最近特に多い引き合いとして、鍵違い数やマスターが多い物、止め番(専用止め番)、
特定の使用に対しての強度保証等々、様々なお問い合わせを頂きます。

弊社のノウハウや技術力、生産体制等々を考慮しての回答をさせて頂くのですが、
単に数字の違い、一線の引き方や価格等で選定に負けてしまう事もあります。


○鍵違い数やマスター数
 例えば、鍵違いでお話しすると、A社は『170,000』、B社は『50,000』、N&DLは『41,000』
 これだけ見ると弊社が一番少ない事になります。
 
 勿論、各社ともに嘘を公表している訳ではありません。
 それぞれ、ノウハウに基づいた公式で算出していると思います。

 数が多ければ、実際にその全数で運用した場合事故が起こるリスクも大きいと思います。
 反面、数が少なければ良いという事ではありません、
 現実に、『数が少ない』との理由で製品の選定から落ちてしまう事もあります。
 
 では、お客様がどのメーカーが良いかを判断するのにはどうしたらよいのか?
 究極的な話として、全ての鍵違い数を実際に製作し、総当たりで異種キーを指して
 相互確認して頂ければ実際に安全であるかどうかが解るでしょう。
 しかしながら、経費や時間を考えてもその対応は難しいです。
 その数が何十万、何百万種になればもっと大変です。

 『ノウハウに基づいた公式、さらにその公式とリンクした設計、その裏付けが元で
 確実に製品が作られているか』が重要になります。

 弊社にとっても、それらの内容は重要な情報なので詳細を説明する事は出来ません。
 各社様も同様と思います。

 そのため、鍵違いに限らず、せっかくお問い合わせ頂いても、内容によっては詳細まで
 説明出来ない部分があることに歯痒さはあります。
 
 そこで、『どう説明し、いかに信頼を得るか・・・』、大きい課題です。

○止め番(専用止め番)
 これは、要求されている止め番の数にもよりますが、結果的には価格に影響してきます。
 
 弊社の場合、1個2個の止め番で希望機種に公表鍵違い数以外のコードが存在すれば、
 それに割り当てる事も出来ますので、結果的にそこそこの価格帯で提供出来ると思います。
 
 しかし、公表鍵違い数以外のコードが無い、または止め番の希望数が多い場合については
 専用設計の製品を検討し、提案させて頂く形になります。
 
 この場合に問題になるのが、生産ロットです。
 500や1,000を超えるような大きいロットでは価格の影響はほとんど有りませんが
 数個や数十個等の小ロットでは、弊社で在庫運用しているカタログ製品と違ってきます。
 専用でその数量だけの生産になるために、非常に高価な製品になってしまいます。
 
 これは、あくまでも『噂』ですが、公表鍵違い数が十万種の製品があったと仮定して
 公表鍵違い数以外は存在しない等の背景から、その『公表鍵違い数の中で』止め番と称して
 使用している所もあるとか、無いとか・・・。『噂』です。
 
 例えば、『何十万分の一の確率だから』とか、『キーNo.を変えればまず大丈夫だろう』
 とか、『事故が起きなければ良い』との判断で商売をされていたり、最初から確信しての
 商売のスタンスはどうかと思います。
 
 ※刻印ナンバーだけを止める方法や、置き換えと追う方法もありますが、あくまでも
  止め番としての運用とは別の方法です。

○特定の使用に対しての強度保証
 例えば、錠を筺体の扉に取り付けて使用されると思いますが、この場合の理想としては
 キーを挿して解錠し、キーではなくハンドルやツマミ等を持ち、扉を開けるのが望ましいです。
 
 しかし実際は、そのままキーをツマミ代わりに引っ張って使用しているお客様も多いように
 思います。
 弊社としてはお客様の判断での使用を『禁止』している訳ではありません。
 弊社推奨での使用方法ではありませんので、それに起因する内部故障等に保証出来ない場合もあります。
 『場合によっては』影響が出る可能性があるということを知って頂ければという思いです。
 
 稀に、お客様より「キーをツマミ代わりに引っ張って扉を開ける『対策が取られた錠前』は
 有りませんか?」という問い合わせが有ります。
 
 ポイントは『対策が取られた錠前』です。
 弊社には『対策が取られた錠前』として、『PULシリーズ』の真鍮製の製品とドリル破壊対策品の
 2種類があります。
 その製品は一般的な錠前と比較すると、特殊な対策が施されている分だけ価格が高いのです。
 
 以前にこんな事がありました。
 対策が取られている製品同士で選定外と言う事であれば、悔しいですが仕方ない事です。
 『問題』なのは、対策が取られていない普通の錠前を、あたかも対策済み製品と称して
 提案してきた会社の製品と競合し、結果、必然的とも言えますが、価格で負けてしまうと
 いう事もありました。
 たしかに、よほどの重量がある扉を引いたりしないかぎり、大きい影響は無いと思いますが
 『対策が取られた錠前』の要求に対しての『これ』は如何なものかと・・・。



要求スペックや価格も踏まえた上で、完璧な物と言うのはなかなか有りません。

各社のノウハウやルール等も勿論有ると思いますし、その会社にとっては『正論』でもあると
思います。

しかし根拠の無い事や、問題が起きる可能性が有る製品でも発覚する確率が限りなく少ないだろうという判断から、承知の上で「大丈夫です。」「保証します。」というのは些か問題が有ると思います。

同等のスペックで価格勝負で負けるのは仕方ない。
偽りのスペックで安価な製品に負けるのはどうしたものか。
なんだかんだ言っても、価格ありきな風潮も悲しいです。

価格も製品のスペックの一部と言われる事もあります。確かにそれもあると思います。
コストダウンは企業努力と言われれば、それもその通りと思います。
しかし、そういうレベルでは無く、ありえない価格差で負ける事も現実です。
またその価格がベースになり、『価格ありき』が先走り、それより安価での競争になっている・・・。

そんな競争の中にいつまでも入っているべきなのか?
独り善がりで正論並べて仕事を失うのか?
何処か妥協して仕事を取るのか?
どの辺が真実であり、真実でないのか?


でも、お客様の要求には、出来るだけ答えて行きたい・・・。

       ・・・ほんと難しいです。


下手な文章を長々書き込んでしまいましたが、
そうは言っても、前に進まないと意味がないので、これからもビシバシやって行きます。
転んでも、タダでは起き上がりません。

今年も面白い新商品を続々出てきます。(もしかしてハイスペックの格安新製品とかww)
今後とも是非宜しくお願い致しますヽ(^。^)ノ