CD紹介 第31回 『Gorgoroth/Under the Sign of Hell 2011』
今回紹介するのは『Gorgoroth/Under the Sign of Hell 2011』(2011)です。
ジャケット側です。寒々しい秀逸なデザイン。
バックインレイ側は映り込みが激しいかったので無し!!
ディスク面です。
本作はノルウェーのGorgorothが1997年に発表したBlackmetalの名盤『Under the Sign of Hell』のリレコーディング盤です。
Gorgorothは、外見から一目瞭然、非常に正しいBlackmetalを演っているバンドです。
バンド名は指輪物語(The Lord of the Rings)で有名なジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン(John Ronald Reuel Tolkien CBE)による中つ国(Middle-earth)の地名です。
このバンドの経歴は複雑です。
(例によって本名なんたらが続き面倒ですが、興味無い方はスルーして頂いて構いません・・・)
結成は1992年、中心人物であるInfernus(本名:Roger Tiegs)によって結成されます。
初期ラインナップはVoはHat(本名:Jan Åge Solstad)、BsはKjettar、DrはGoat Pervertor(本名:Rune Thorsnes)と、先述のGtのInfernusです。
1994年の1st『Pentagram』の頃にBsがSamoth(本名略、Emperorの人)に替わります。
1996年の2nd『Antichrist』の頃にはVoにPest(本名:Thomas Kronenes)が加わり、DrがFrost(本名:Kjetil-Vidar Haraldstad、Satyricon、1349の人)に替わり、InfernusはGt、Bs兼で活動します。
1996年のEP『The Last Tormentor』で、Pest、Infernusに加え、Ares(本名:Ronny Hovland)、Grim(本名:Erik Brødreskift)というメンバー構成になり名作3rd『Under the Sign of Hell』発表!!
本作でのGrimのドラミングが素晴らしいです。
(普通の人からすれば、只管喧しいという・・・)
しかし、残念なことにそのGrimは1999年に自殺してしまいます・・・
そして1998年作の4th『Destroyer, or About How to Philosophize with the Hammer』では、メンバーが入り乱れるようになります。
VoはPestに加え、Gaahl(本名:Kristian Eivind Espedal)、T-Reaper(本名:Torgrim Øyre)の3人体制。GtにTormentor(本名:Bjørn Olav Telnes)、BsにAres、DrにVrolok(本名:Erik Hæggernes)。
因みにInfernusはVo、Gt、Bs、Dr・・・要は全部。
演奏者がトラック毎違っているので、う〜ん、どうでしょう?
更に、ここからが厄介です。
King Ov Hell(本名:Tom Cato Visnes)をBsに加えて2000年の5th『Incipit Satan』、2003年の6th『Twilight of the Idols (In Conspiracy with Satan)』と発表し
2006年の7th『Ad Majorem Sathanas Gloriam』ではInfernus、Gaahl、King Ov Hellの3名になります。
7thではFrostがサポートDrですが、面倒が嫌だったのか続けること無くSatyriconへ戻っていきます。
そして何と2007年には、Gaahl&King Ov HellとInfernusとの間でバンド名の使用権?で裁判にまで発展します。
発端は前者2名が『Infernusを解雇しGorgorothとして演っていく』と発表し、Infernusと決別しようとしますが、Infernusも黙ってなどいなく、自らがGorgorothだと主張します。
2009年に裁判所の判決でInfernusが勝利し、ようやくこの紛争が決着します。
現在はPest、Tormentorが復帰し、BsにBøddel(本名:Frank Watkins)、DrにTomas Asklundを加えて活動しており2009年に8th『Quantos Possunt ad Satanitatem Trahunt』を発表しています。
Tormentorは所属しているようですが、製作参加していないようです。(クレジットが無い)
今回の紹介作ではPest、Tomas AsklundとInfernusの3名でリレコ製作されています。
何度も出てきたFrostさんは、King Ov Hellと『Ov Hell』(そのまんまやないか〜!)で一緒に演っています。
FrostさんはSatyriconの公演で日本にも来ています。コッチでは素顔で演っています。
どうでもいいですが意外にイケメンらしい。
音の内容が喧しいとしか書いていないですがBlackmetalの中でも『必聴盤』な作品です。
惜しむらくは、このリレコ盤では先述のGrimではないため残念な結果になっています。
作品としては勿論文句無しですが、出来ればリレコ前で聴いた方が良いかと思います。
しか〜し、オリジナル盤1stプレス『Malicious Records盤』は既に入手困難です。
2ndプレス『Century Black盤』、3rdプレス『Season Of Mist盤』、4thプレス『Regain Records盤』など再発盤はそこそこ見かけます。
4thプレスの前にロシア盤も出ているようですが、ロシア盤は・・・ので除外。
余談ですが、ピーター・ベスト(Peter Beste)というフォトグラファーが『Norwegian Black Metal』という作品集を発表しています。
2005年に東京、大阪で個展も開催されましたので御存じの方もいるかと思われます。
見てもなんじゃこりゃー!!ってなるかもしれませんが、興味がある方はドウゾ。 (イトー)
『Revelation Of Doom(2011)』リレコではドラムがちと弱い。
※YouTubeリンク切れ等は御了承ください。